【講座開催報告:セーフ・スペースで体験しよう!「心地よく自分を表現する」―私の「伝えたい」を伝える、言わない自分も否定しない―】
1月29日(日)大阪府男女共同参画センター(ドーンセンター)にて、日本YWCA人材養成部会リーダーシップ養成チームが講座を行いました。
今回の講座は18~35歳のユースを対象とした講座でした。職場や友人関係、様々な場面で「言いたいのに言えない」思いをしている方、「相手を傷つけたらどうしよう…」や「どうしたら伝わるのか…」など、モヤモヤした気持ちを抱える方、そんな方々に、「自分を守りながら、伝える」ためのどうしたらよいのか、3つのセクションに分け、学びを深めました。
まず初めに、普段のコミュニケーションの中の「言えないとき・言えなくて困っていること」を共有し、モヤモヤを皆で分かち合いました。そこから、アサーションとは、そして心地よく自分を表現するためのプロセスが紹介されました。言葉を惜しまず、「私は…」で意見を述べること、そして、起きた出来事に対してどう自分が思うか、相手と自分は何を求めているか、そしてどうそれをすり合わせるか、というものです。一見シンプルに見えるこのプロセスも、やろうと思うと一筋縄ではなかなかいかないものです。これには繰り返しの練習が必要であり、またその練習の相手も必要です。
次のセクションのアサーショントレーニングでは、心理的安全が守られた中でその練習の第一歩、参加者の皆さんの「言えなかったとき、困ったとき」の実例を用いながら「こんなときどうする?」をじっくりと話し合うことが出来ました。
最後のセクションでは、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を越えて、コミュニケーションをとるためには?というお題の下、まずは内閣府のアンコンシャスバイアスに関する調査を共有しました。
その後、調査結果についてどう思うか、日常の中のアンコンシャスバイアスにはどんな例があるか出し合いました。参加者から挙げられた一例としては、「イベントの司会や電話の対応は女性の声の方がいいよね、といわれた」「外国人の男性から、日本人の女性は優しい、と言われた」、また、「結婚式参列時に、花婿の親が男性参加者に対して、『次に一人前になるのは誰かな?』と聞いていた」など男女ともにバイアスを浴びていることが分かち合われました。そうした例を踏まえ、「そんなときどうするか?」を話し合いました。日常の中で、こうしたバイアスのかかった発言や行動を間近にすると、即座に対応することが難しいかもしれません。しかしこれもまた「練習」あるのみで、今回の講座でのアサーショントレーニングのテクニックを応用して「心地よく自分を表現する」していきたいですね。
同じくユース世代の筆者も同様ですが、ユースの皆さんが、学業や仕事など多忙な毎日を送っていく中で、今回のようにじっくりと誰かに話を聞いてもらうこと、自分のコミュニケーションの悩みを安心して相談できる場は中々ないのではないでしょうか。
たくさんの情報にあふれ、インプットの毎日で、自分の気持ちや考えを整理して言語化する時間をとることは難しいかもしれません。
日本YWCA人材養成部会リーダーシップ養成チームは、今後も皆さんのニーズを組んだ講座を開催していきたいと考えています。
多忙な中、時間と気持ちを整えることは難しいかもしれませんが、ぜひご参加ください。
(日本YWCA人材養成部会リーダーシップ養成チーム 担当職員)