世界YWCAのニュースから パン・アフリカ主義を共に推進する~AUサミット参加報告
4Mar.
世界YWCAのニュースから
パン・アフリカ主義を共に推進する~AUサミット参加報告
第20回アフリカ連合加盟国政府首脳会議(AUサミット)は、2013年1月21日~28日、エチオピアのアディス・アベバのAU本部でおこなわれ、世界YWCAは35名の若い女性とスタッフで参加しました。
ハイレベル協議参加者 | リーダーシップフォーラム参加者 | (左から)ズマ委員長、ロビンソン元首相、グンボンズバンダ総幹事 |
アフリカ連合議長、マラウイ大統領、西アフリカ共和国大統領など、最高意志決定機関にかつてなく女性が多く就任している新しい状況下、また、ミレニアム開発目標(MDGs)の期限である2015年が近づく中で、この会議は「パン・アフリカ主義(世界中のアフリカ系住民の解放と連帯)とアフリカ・ルネサンス」というテーマのもとで開催されました。会期中、世界YWCAは以下のような協議をおこなっています。
1. | 若い女性のリーダーシップのための1日フォーラム | |
2. | 「ジェンダーが私のアジェンダ」キャンペーン(Gender Is My Agenda Campaign: GIMAC)に関する会議への参加 | |
3. | ポスト2015開発プロセスに関するハイレベル世代間リーダーシップ協議 |
以下は、ザンビアYWCAのチャンダ・ブンバ・カトンゴが同サミットに参加した経験とサミットについての考えをつづったものです。
発言するチャンダ・ブンバ・カトンゴ(報告者) | AUのズマ委員長 | GIMAC会議で発言する若い参加者 |
パン・アフリカ主義を共に推進する~AUサミット参加報告
(報告:チャンダ・ブンバ・カトンゴ)
女性は涙に暮れる日々から立ち直ってはならない、と言われています。
女性はいつまでも貧しさや読み書きができない状態、病気や暴力にあえいでいなければならない。レイプや裏切り、虐待の後でさえも、おとなしくしていなければならない。人々が「あなたは虐待された」と言ってくれるように、いつまでも犠牲となり、蔑まれていなければならない。決してかけられることのない感謝と肯定の言葉を、そして決して実現することのない同一賃金、対等の発言権、機会均等を待ち続けていなければならない。人はそう言うのです。
それでも、私たち女性は主張します。女性は歩き、走り、闘い、そして人一倍努力しなければならない、と。
女性もパン・アフリカ主義とアフリカ・ルネサンスを共に推進するべきです。アフリカの発展とグローバルな発展を築き、家父長制を破壊し、障壁を取り払わなければなりません。攻撃に立ち向かい、抑圧、貧困、病気、暴力、紛争、そして差別から自らを解放しなくてはならないのです。
アフリカの女性と少女の若い大使として、ここAUサミットに集った私たちは、自分たちの描くアフリカの将来像を創り出すために、連帯して取り組んできました。女性、少女、子どもと若者の抑圧に終止符を打ち、貧困、病気、暴力と差別を終わらせようとしてきたのです。
AUサミットにおいて、ポスト2015年開発プロセスに関するアフリカ・ハイレベル世代間リーダーシップ協議に参加できたことは、とても素晴らしい経験でした。ヌコサザナ・ドラミニ・ズマAU委員長、メアリー・ロビンソン元アイルランド首相、アフリカ大使やアフリカ諸国の大臣たちなどアフリカの優れた指導者、女性リーダーや女性運動の支持者と会えたのは素晴らしい経験で、エンパワーされました。
私たちは、若い女性リーダーとしてアフリカ各国の元首と交流し、私たちの主張を伝えました。集まったリーダーたちに私たちの優先課題やビジョンを語り、私たちの夢や願望について熱心に語りました。パン・アフリカ主義とアフリカ・ルネサンスの実現へ向けて、リーダーたちと手を携えて歩みながら、私たちのアジェンダを推進してもらいたいと、願ったからです。
国連やAU、「ジェンダーが私のアジェンダ」キャンペーン(GIMAC)、主要な市民社会の代表者、その他の主要な社会変革組織の代表や個人と会い、対話したことでとても元気づけられました。
若い女性のリーダーシップ・サミットやGIMACセッションでのさまざまなプレゼンテーションや激励の言葉からも、大いにインスピレーションと励ましを受けました。私たちのメンターは自らの信念に忠実で、私たちは直接的・間接的な指導を通じ、さまざまな方法でメンタリングを受けました。このメンタリングと世代間リーダーシップが続くことを心から願っています。
アフリカ地域の他の若い女性リーダーたちとつながりを深めたことで、新たなエネルギーを得ました。新しい友人・姉妹ができただけでなく、アフリカの若い女性と少女に影響を与えている問題について、地域的・国際的な視野やアイディア、助言と解決策を得ることができました。
また、アフリカのさまざまな経済的・社会的背景、宗教、性的指向、職業を持つ他の若い女性リーダーたちと協働して、AUや政府、国連、市民社会、民間部門その他開発に関わるステークホルダーに向けた公式声明を起草したのも、本当に楽しい経験でした。アフリカのためのビジョンと優先課題を明確にした私たちの声明文は、私たちが望むビジョンを上記のステークホルダーに提示しただけではありません。ポスト2015年開発アジェンダに影響を与え、私たち若い女性運動推進者たちがポスト2015年レビュープロセスの活動余地の範囲内で、進歩的な権利基盤アジェンダを推進するための、確固たる枠組を提供してくれるものです。
AUサミット前におこなわれた、若い女性のリーダーシップ・サミットやその他の対話もまた、私に若い女性運動の推進者としてグローバルなリーダーになるチャンスを与えてくれました。エネルギーをもらい、ビジョン、情熱と熱意を新たにしたところで、エチオピアのアディス・アベバに若い女性を招集し、パン・アフリカ主義とアフリカ・ルネサンスにおける自分たちの役割を探る機会を与えてくださった、世界YWCAとYWCAのパートナーたちに敬意を表します。一人の若いアフリカ女性として、私の声を届ける機会を与えてくださったことに感謝し、すべての皆さんに呼びかけます。「姉妹たちよ、闘いは続く(A Luta Continua)!」
原文:世界YWCAウェブサイト記事(2013年1月31日掲載)
http://womenleadingchange.wordpress.com/2013/01/31/we-must-be-a-part-of-pan-africanism/
AUサミットに向けた公式声明「African Renaissance and the Future Young Women Want」
http://www.worldywca.org/YWCA-News/World-YWCA-and-Member-Associations-News/High-Level-Intergenerational-Dialogue(英文)
編集責任:日本YWCA
翻訳協力:日本YWCAコモン・コンサーン翻訳グループ
(浅原由美・宇山智美・黒木聖司・小泉延枝・古賀佳子・
今野菊代・芝田貞子・林加奈・宮坂浩美・山高万寿子・
横山雅代・吉田亜希)