報告:世界に伝えたい真実の物語、映画「GATE」とは?
18Sep.
報告:世界に伝えたい真実の物語、映画「GATE」とは?
今秋50周年を迎える熊本YWCAが記念企画第一弾として取り上げた映画「GATE」の上映会が、去る8月24日(土)熊本市民会館に来場者320名を集めて開催されました。
「世界核兵器解体基金」のことを知らない人は多いと思います。これは、2005年ニューヨークで行われた核拡散防止条約再検討会議開催時に、一般市民の力で核兵器解体に参加する道を開くことを目的に設立されたNGOです。「GATE」はその創設者であるマット・テイラーが監督制作した映画です。日本生まれ、日本育ちのアメリカ人監督は、核廃絶はどうしたら実現するか、長崎のある大僧正に問います。師は、こう答えました。広島と長崎の間にある星野村に60年間燃え続けている原爆の火を、世界最初の原爆実験の地であるアメリカ・ニューメキシコのトリニティーサイトに戻し、消すことで負の連鎖の輪を閉じることができる、と。師に託された使命を帯びた数名の僧侶たちが、トリニティーサイトへの巡礼に旅立ちます。原爆の火を掲げ、船でサンフランシスコに降り立ち、砂漠や山、250もの町を全行程、2500キロ、25日間黙々と歩き続けます。灼熱の暑さに耐えつつ・・。
「抗議」ではない、平和をただ願う祈りの行動は、アメリカ一般の人々の共感の輪を広げ、いままで堅く閉ざされていたトリニティーサイトの門「GATE」がついに開き、火は、祈りの言葉が書かれた紙を燃やして完全に消えます。そして、トリニティーの土と混じった灰が、核保有大国代表者に核廃絶のメッセージと共に送られます。「GATE」は僧侶たちのこうした旅の一部始終を淡々とドキュメントしたものですが、静かな深い感動が観たものの心を揺さぶります。平和への祈りは宗教や国、言葉を越えた人類共通の願いであり、人をつなぐ希望なのだと。
この映画の益金は核兵器解体基金に送ることになっています。