世界YWCAの記事から 若い女性の声をモンロビアに届ける:「ポスト2015開発アジェンダに関するハイレベル・パネル(HLP)」のプレ・フォーラム
4April
世界YWCAの記事から
若い女性の声をモンロビアに届ける:「ポスト2015開発アジェンダに関するハイレベル・パネル(HLP)」のプレ・フォーラム
世界YWCAは、開発における国際社会共有の目標として2000年にまとめられた「ミレニアム開発目標」の実現に積極的に取り組んできました。同時に、この開発目標が期限となる2015年行以降、国際社会が目指していく新たな目標(ポスト2015開発アジェンダ)を考える国際的議論に、若い女性の声を反映させるための働きかけを行っています。以下は、世界YWCAウェブサイトから、その一環としての活動報告です。
写真:デイビッド・キャメロン英国首相とニャラザイ・グンボンズバンダ総幹事
1月30日~2月2日、「ポスト2015開発アジェンダに関するハイレベル・パネル(HLP)」の第3回会議がリベリアのモンロビアで開催されました。会議に先立ち、1月28日~29日には、CSO(Civil Society Organization:市民社会組織)プレ・コンサルテイティブ・フォーラム(※)が行われました。会議のテーマは「持続的繁栄のために国として必要な要素-経済改革」で、リベリアのエレン・ジョンソン・サーリーフ大統領、インドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領、英国のデイビッド・キャメロン首相が共同議長を務めました。
※本会議に先立ち、NGOなど市民社会の団体が協議を行うフォーラム
2日間にわたるプレ・コンサルテイティブ・フォーラムには、世界各国のCSOから100人以上の出席者がありました。開会式には、リベリアのジェンダー大臣ジュリア・ドゥンカン・カッセル閣下、モンロビアのマティー・T・ブロウ市長、バンガロールのインド経営大学院のギタ・セン教授が出席しました。
フォーラムの目的は、ポスト2015開発アジェンダに関する情報を入手すること、およびCSOの間で共通認識を形成することでした。それぞれのスピーチの中で、ジュリア・ドゥンカン・カッセル閣下、マティー・T・ブロウ市長、ギタ・セン教授は機会の平等と女性と少女の権利の保護の重要性を強調しました。セン教授は女性の無報酬労働を「隠された税」と呼び、「女性は子どもを見捨てません。しかし、彼女たちは、どれだけうまくやりくりして子育てをしているのでしょうか、また、どれだけ多くの代価を女性自身が払っているのでしょうか。それは、ここに集まったパネルの面々が本当に進んで取り組まなければならない課題なのです。子育てしているのは女性たちです、しかも、女性たちは自由な時間なく収入を得ることもできません。身を粉にして子育てをしています」と述べました。さらにセン教授は、社会的包容力と差別ゼロがキーワードとなる包括的枠組みが必要であると強調しました。スピーチの中でジェンダー大臣は、「私はすべての人がより良い機会を持てる未来を見たいのです。女性が出産で命を失ったり、子どもが5歳以下で死亡したりせず、女性が大学教育を受けることができる、より良い結果をもたらす環境にすべての人がいる未来を見たいのです」と訴えました。そのほかに、食糧、エネルギー、水、衛生に対する権利、持続可能な環境、市民参加とくに草の根の参加、科学と技術への投資などがセッションで主要な問題として取り上げられました。
ニャラザイ・グンボンズバンダ総幹事率いる世界YWCAからは、フィジーYWCAのジャッキー・コロイ、ケニアYWCAのネリー・ルカル、リベリアYWCAのロセリーヌ・トウェとクラ・フォファナなど6名の若い女性の代表がCSOプレ・コンサルテイティブ・フォーラムに参加しました。YWCA代表団は、パネルのハイレベルメンバーやCSOが集まり交流したジェンダーと若者に関する討論会、リベリアのジェンダー大臣が企画したジェンダーの平等に関する展示など、数多くのイベントに参加しました。YWCAの代表団はまた、デイビッド・キャメロン英国首相、リベリア大統領ジョンソン・サーリーフ、インドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領などハイレベルメンバーと非公式に交流する機会を得ました。また、YWCAの代表団は各国からリベリアに集まった若い女性たちと共に歌い、踊り、「世界YWCAの提言:若い女性たちが望む未来」(※)を分かち合いました。世界YWCAは、先頭に立って新しい開発アジェンダを明確にするために何が必要かを明言するだけでなく、若い女性たちが集い発言する機会を提供していることを再認識しました。
※世界中の若い女性から寄せられた声をもとに、世界YWCAが作成した提言文(英文)。
モンロビアで開催された会議では、貧困救済計画には少女や女性たちは必要不可欠であり、ジェンダーの不平等問題に取り組むことは、あらゆる将来の目標において非常に重要な役割を占めるという共通認識が高まっていることが明らかになりました。女性への暴力の根絶もまた、経済変革の前提と見なされています。閉会に際して、CSO諸団体はジョンソン・サーリーフ大統領に公式声明を提出しました。この公式声明は、ハイレベル・パネルに対し、市民権確保、参加拡大、エンパワメント強化を行い、適切な雇用と普遍的な社会的保護を保証する権利に基づくアプローチに支えられた、包括的で持続可能な成長と人間社会の発展を促進するよう促すものです。
原文:世界YWCA記事(2013年2月7日掲載)
http://www.worldywca.org/YWCA-News/World-YWCA-and-Member-Associations-News/World-YWCA-Bringing-the-Voices-of-Young-Women-to-Monrovia
編集責任:日本YWCA
翻訳協力:日本YWCAコモン・コンサーン翻訳グループ(浅原由美・宇山智美・加藤美恵子・黒木聖司・小泉延枝・古賀佳子・今野菊代・芝田貞子・林加奈・宮坂浩美・山高万寿子・横山雅代・吉田亜希)