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世界YWCA記事:女性は戦争を始めない、しかし最悪の結果に直面する~

私たちは、戦争、紛争、そして暴力が女性、若い女性、少女に男性とは異なる影響を与えることを知っています。紛争や不安定な時代に、女性、若い女性、そして少女たちは性的暴行、虐待、移住、貧困の拡大、トラウマ、さらにジェンダー不平等、健康、教育へのアクセスの問題が悪化する深刻なリスクにさらされています。私たちは、平和と正義のある世界を信じ、このビジョンを達成するために、女性の参画とリーダーシップは不可欠であると信じています。私たちは、女性と若い女性の平和へのプロセスと実行における積極的な参加が、包括的で効果的というだけでなく、持続的な平和を構築するのために不可欠であると知っています。

平和と正義は、160年間以上の世界YWCA運動の通して不変のビジョンとゴールであり続けてきました。女性、若い女性、少女が戦争や紛争によって深刻な悪影響を受けるだけでなく、非暴力を推進し、持続的な平和と正義を実現するには、彼女たちのリーダーシップが不可欠であることを私たちは知っているからです。

戦争は、そのさなかでも紛争後も、女性と少女たちに男性と比べ不均等に大きな悪影響を与えます。女性たちは戦争をはじめません、しかし最悪な結果に苦しむのです。2018年末までに少なくとも2100万人の女性と少女が、紛争や暴力により自国を追われました。

1855年にイギリスで設立されたYWCAの最初の仕事は、クリミア戦争から帰還した看護婦のための住居探しだったことをご存知でしょうか;ちなみに赤十字も同様の背景によって創立されました。160年以上にわたるYWCAの歴史の中で、特に戦争や暴力、その他の社会的不公正の影響を受けた人々のコミュニティのニーズに応えることは、重要な優先事項でした。今日、ある国々では何十年も続く戦争や暴力、あるいはCOVID-19や気候変動による影響など、YWCAの女性や若い女性によるコミュニティへの対応は、高い重要性を持っています。世界中のYWCAのリーダーである女性、若い女性、少女は、危機が発生に際してほぼ即座に、コミュニティの権利を守るために立ち向かってきました。

「私たちは広島と長崎で受けた壊滅的な影響を目の当たりにしています。女性は男性よりもはるかに戦争による影響を受けるのです。私たちは女性として声を上げる責任があるのです」と、日本からのYWCAリーダーである樋口さやかさんは、バーチャルパネル#BulletAndDoveの最初のパネル「連帯と平和のための決意から、現地の実情へ」で語りました。パレスチナ、アルメニア、日本の文脈、物語、現実を議論し、YWCAのリーダーたち(#YWCALeaders)が主導する平和構築やアドボカシーの取り組みについて詳しく述べ、暴力、紛争、戦争から影響を受けたコミュニティによる平和構築に寄与できるような、取るべき行動を具体的に探りました。

これらの国々のYWCAリーダーたちは、より多くの女性と若い女性が国連安保理決議1325号(UNSCR1325)や同2250号に関する諸協議のような話し合いに参加できるように、これらの場所における国際的連帯と支援の強化のため協力してきました。彼女たちは、国内とグローバルな領域での政策対話をけん引しながら、積極的に実地支援を提供しています。

「世界の人類の歴史が始まってから今まで、常に戦時下において平和構築のために参加してきた女性の姿がありました。この役割は、今日においてもとても重要であるということが分かります!アルメニアの女性は、平和構築において要となる役割を果たすために努力しなければなりません。これは伝統の不文律のひとつです。一緒に考えてみましょう:戦時では通常男性が戦いますが、一方で女性はその結果の影響を被りながら生きることになるのです。」アルメニアYWCA会長アイーダ・ズラビャン(Aida Zurabyan)さんは、アルメニア戦争中に平和を呼び掛ける記事(英語)の中でこう述べています。

戦争は、女性に男性とは異なる影響を与えます。女性と少女たちは戦争による影響をより強く受け、国内や国外への避難、経済的打撃、資源や、医療、教育インフラへのアクセスの減少を余儀なくされ、また紛争下では女性に対する暴力のリスクが増加します。

Podcastを聴く(英語)

「ベラルーシの女性は皆、ジェンダーに基づく暴力を経験し、路上で嫌がらせを受けたり、虐待されたりしたことがあります。それは身体的なものだけでなく、心理的なものでもあります。」と、YWCAリーダーのベラ・シラクヴァシ(Vera Syrakvash)さんは「Organising & Acting for Peace & Justice(平和と正義のための組織化と行動)」というポッドキャストの中で語っています。

ポッドキャスト内で、シラクヴァシさんは、1994年から就任している権威主義的なアレクサンドル・ルカシェンコ大統領に対するベラルーシのミンスクでの大規模な抗議デモに参加し、一部の女性がひどい暴行を受け、レイプされたことについて話しています。YWCAのリーダーとして、ベラは絶えず東ヨーロッパの女性、若い女性、少女たちを支援しつづけ、彼女たちの権利に関してエンパワメントを行い、連帯の中で協働し、人権のために闘ってきました。

YWCAリーダーのムナ・キリングバック(Muna Killingback)さんは、最近の世界YWCAブログ記事の中で、YWCAがいかにして、それまで女性が代表として参加することのなかったあらゆる種類の政策フォーラムで女性たちの発言の場をつくり、そしていかに大きな違いをもたらしたかについて綴っています。彼女はさらに、戦争、人権侵害、SGBVと女性の間の相互関係を考察しています。

「私たちは、国連を強化するために特に力を入れるべきです。また国際司法裁判所と国際刑事裁判所に効力のある執行手段を持たせなければなりません。そうすれば、どの国も、どれだけ力を持っていようが国際法を遵守しなければならないでしょう。これをフェミニストの課題ではないと言う者もいますが、世界の人口の半分以上を占める女性が、戦争にNOを告げるだけで、どれだけ大きな力になるか想像してみてください。」と世界YWCAによる16日行動シリーズのためのインタビューの中でムナ・キリングバックさんが語っています。

女性は、戦争において重要な役割を担っており、彼女たちは積極的に支援集団に関わり、家族を支え、みんなの安全を守ります。女性は、他者をケアする責任と重荷を背負いながらも、戦争の最悪の結果に直面しています。ほとんどの場合、男性によって戦争が先導されているのに対し、女性は意思決定や和平交渉のプロセスに加わっていません。

1992年から2019年の間、世界中の主要な和平協議において、女性は平均して協議者のわずか13パーセント、調停者のうち6パーセント、調印者の6パーセントを占めるのみでした。10の和平プロセスのうち約7つには女性の調停者や調印者が含まれていませんでした。

私たちは、平和を共に形作るため、紛争回避や解決に関連した意思決定における女性の役割を拡大することが必要だと考えます。女性たちが協働するとき、結果も変化するのです。政策作りに女性を含めることは進行中の作業であると、ポッドキャスト「Organising & Acting for Peace & Justice(平和と正義のための組織化と行動)」においてケニア出身のマリアさんは語ります。しかし、どのようにしてより多くの女性とユースが政策に関わるようにしていけるでしょうか?

紛争中、女性はしばしば効果的に意見を主張するために必要とされる情報とツールへのアクセスが不足してしまいます、そして多くの場合、彼女たちは黙らされ、脅かされています。デジタルメディアは、新しい世代の活動家に手を差し伸べ、変化をもたらすために必要な情報やネットワークで彼女たちに力を与える一方で、安全のために自分の身元を隠したり、自分の命や家族を危険にさらすことなくオンラインで様々な活動に参加することができる、アクセスしやすくインパクトのある方法として登場したのです。

2021年、世界YWCAは、運動構築、コミュニティ活性化、政策提言、キャンペーンの観点から、女性と戦争に関する世代間アプローチに関する4つのエピソードからなる提言ツールキットのポッドキャストシリーズを開始しました。世界YWCAが制作したこの4部構成のシリーズは、YWCAやより大きな女性の権利運動において最近成功したキャンペーンを取り上げ、その背景にある物語を語りながら、アドボカシーの成功への実地ガイドとしています。

平和と正義における女性の役割は、将来の世代にとって非常に重要です。女性を意思決定、交渉、会話から排除することは、これ以上許されてはいけません。もし女性がより意思決定の場に関わったら、審議や平和条約の文面においてジェンダーに関する要素より注意が払われ、そしてより包括的な解決策とより平和な世界が実現することを、私たちはみんな知っているのです。

Podcastを聴く(英語)

世界YWCAは平和と正義がすべての人々にとって現実となる世界を目指して、一貫して取り組むことを決意し、政府と国際機関に対し、平和プロセスへの女性の参加を認め優先させるよう呼びかけます。


この記事は、最近の活動の一部を紹介するものであり、数十年にわたって世界中のリーダーたちがおこなってきた活動を網羅するものではありません。

より多くの情報を得るためには、世界YWCAウェブサイトをご覧ください。

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YWCA(ワイ・ダブリュー・シー・エー/Young Women's Christian Association)は、キリスト教を基盤に、世界中の女性が言語や文化の壁を越えて力を合わせ、女性の社会参画を進め、人権や健康や環境が守られる平和な世界を実現する国際NGOです。
1855年英国で始まり、今では日本を含む100以上の国・地域で活動しています。

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