報告:「女性と平和、安全保障」-アジア地域YWCA会議
Women, peace and security
2022年6月10日(金)、韓国YWCAの呼びかけにより、国際イベント「アジア地域YWCA会議~女性と平和、安全保障~」がオンライン開催され、世界YWCAを含めて全部で11ヵ国(香港YWCA、バングラデシュYWCA、インドYWCA、韓国YWCA、ミャンマーYWCA、ネパールYWCA、フィリピンYWCA、シンガポールYWCA、タイYWCAと日本YWCA)が参加しました。
各国の発表者がテーマに沿って、この2年間の活動状況をパワーポイントや動画で報告し、各国YWCAがジェンダー平等を求めて行っている様々な活動を共有し合いました。
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世界YWCA総幹事と副会長も画面越しに熱いスピーチを行いました。世界YWCA副会長のハン・ミミさん(韓国YWCA)は、世界各地域で武力紛争が、性的暴力も含めどれだけ女性に脅威を及ぼしているか、地域別に数字化して示すことで、ジェンダーに基づく暴力や不平等の厳しい現実を語りました。
そして、国連安保理決議第1325号における4つの柱(①平和と安全保障分野におけるあらゆるレベルの意思決定への女性の参画、②女性と少女たちの権利の保護、③紛争予防の取り組みにジェンダーの観点を取り入れること、④救援・復興活動にジェンダー配慮を取り入れること)の重要性を再び強調しました。紛争が深刻化する今の社会において、平和構築・安全保障プロセスへの女性の参加促進が女性自身を守り、さらに地域社会の平和に繋がることを認識しなければならないと提言しました。
今回4回目の開催となる「アジア地域YWCA会議」には、地域YWCAからも積極的なユースの参加があり、日本YWCAから全部で11名が参加しました。日本YWCAは今後も、各地域YWCAと協働しながら、もっと多くの女性が積極的に主体として位置付けられ、平和構築プロセスへの女性の参画を促進していきます。
参加者からの感想
今回「女性と平和、安全保障」をテーマにした会議の基調講演は、YWCA会員として活動していく上での目標を、UNSCR1325の視点から考えるきっかけとなった。小さく見えるそれぞれの活動が、‟A world without violence and war”を実現するための大切なステップの1つであることを忘れずにいたい。また、アジア各国YWCAの詳細な報告はどれも大変興味深く、それぞれのYWCAが各地域で必要とされている支援をしている様子が印象的だった。特に香港YWCAの若い年齢で出産した女性やシングルペアレントに対する支援は、熊本YWCAの「外国人技能実習生の妊娠・出産」に関する支援活動と重なる部分もあり、具体的な内容を共有できたらお互いの活動を進化させることができそうである。 普段、地域YWCAの会員として活動していても、他国のYWCAがどのような活動をしているのかを知る機会は、あまり多くない。しかし、今回の会議を通して、その一部だけでも垣間見られた気がした。そして、”Never leave anyone behind”という共通の理念を持つアジア各国の仲間たちと集えたことは、シンプルに楽しい経験となった。次はぜひ、オフラインで! (熊本YWCAからの参加者)