報告:日韓ユース・カンファレンス2019 ミソジニーと日韓#MeToo運動 -東アジアの女性たちの連帯に向けて
5March
報告:日韓ユース・カンファレンス2019
ミソジニーと日韓#MeToo運動 -東アジアの女性たちの連帯に向けて
*本プログラムは、一般財団法人大竹財団の助成を受けています。
「日韓ユース・カンファレンス2019報告書」はこちらからご覧いただけます⇒●
2019年度の日韓ユース・カンファレンスは、「ミソジニーと日韓#MeToo運動 -東アジアの女性たちの連帯に向けて」をテーマに、2020年1月17日(金)~20日(月)まで韓国・ソウルで開催しました。3泊4日間の同プログラムには、日本から21名、韓国から19名が参加し、それぞれの国におけるミソジニーに起因する事件や、過去に起きた戦争から続く日本軍「慰安婦」問題について真剣に取り組み、活発な議論を生み出しました。
初日の1月17日にはオリエンテーションやアイスブレイクを経て、講師のCHO, Jaeyeon(Korea Women’s Hotline人権文化局局長)さんによる基調講演「韓国におけるミソジニーと#Metoo運動、およびその歴史」を受講し、その後両国の参加者がそれぞれの国の現状や歴史を説明するナショナルレポートの発表をしました。
2日目の1月18日には、ジェンダー平等図書館“Yeogi”を訪問し、その後「戦争と女性の人権博物館」を見学しました。さらに韓国YWCA歴史博物館”Jie”を訪問しました。夜には街中にあるセクシズムを表す広告を撮影し、記録するというミッションプロジェクトもありました。
3日目の1月19日には、グループ毎に前日のフィールドワークおよび「ミッションプロジェクト」のプレゼンテーションを行い、その後ワークショップⅠ(アクションプランの作成)およびワークショップⅡ(CSW64でのパラレルイベントの企画)を行いました。その後4つのグループに分かれて各自ショッピングや夜景散策などの文化体験の時間を過ごしました。最終日1月20日にはワークショップⅢ(アクションプランの最終化及び次回カンファレンスのテーマ決め)を行いました。
協議の結果、ミソジニーを無くすために日韓の参加者ができることとして、Tシャツを用いたオンラインキャンペーンが採択されました。
<概要> Tシャツを作成する。デザインは、表面に「手のイラスト」(各自の思いに合わせて、それぞれが手の中に#metooや#with_youを手のひらに書き入れる。#Metoo、#With_youと声を挙げているイメージ)」、袖の部分に「#Y_too movement 2020+」、「日本YWCAと韓国YWCAのロゴ」を入れる。そのTシャツを着た写真と合わせて「何故自分が#metoo運動に参加・支持するのか」というメッセージを、日韓YWCAのfacebookページに投稿する。(Tシャツの作成にあたり、ステッカー販売などできる形でファンドレイジングを行う。)
<ビジョン> SNSで、#Metoo/ #Y_too/#With_you運動を広め、ミソジニーまたはジェンダー問題への関心を高めること。
<目標>
●短期目標:3月14日(土)までに日韓両国から19回ずつ、合計38回の投稿を行う。3月14日はCSW64(第64回国連女性の地位委員会)中に、日韓YWCAが合同でパラレルイベントを主催する日程。19回という数字は日韓ユース・カンファレレンスが今回で第19回目を迎えたことに由来。
●中期目標:2020年8月31日を期日とし、上記の内容の投稿を、各国で100回以上行うことを目指す。
●長期目標:2020年12月を期日とし、上記の投稿に各国で200人以上の参加を目指す。その投稿写真を繋いだものをまとめた動画を作成し、世界YWCAのウェブサイトに掲載する。
また、次回の日韓ユース・カンファレンスのテーマは「LGBTIQ+と宗教」に決定いたしました。
今回のカンファレンスは全体を通じて、両国の若者たちが自らコミュニケーションを図り、議論をし、フェミニズムの歴史を紡いでいくという強い意志のもと行われたものであったと感じます。また、多くの学生が、フェミニズムの歴史について深く理解し、それらを決してなかったものや、あるいはないものにしてはいけないという確固とした考えのもと、自身も同じくフェミニズムの歴史の一部であることを誇りに思い、その気持ちを糧にたたかっています。日韓の学生たちが4日間寝食を共にし、両国の歴史認識の相違について話し合い、また反省し、笑いあい、草の根の文化交流を今年も続けることができました。いま、カンファレンスによって芽生えた友情や団結力というのは、実際に皆が同じ目標や意志を持ってその場に集まり、真剣に取り組んだからこそ生まれたものであり、それらは決して簡単に壊れたり、自然に無くなっていってしまうようなものではないと考えます。
両国には戦争に起因する「難しい」関係性がありますが、カンファレンス参加者たちは戦争の反省を決して忘れず、また、旧日本軍「慰安婦」にされたハルモニたちの声を、勇気を決して忘れません。ハルモニたちが巻き起こしてくれたフェミニズムの波をこれまで以上のものにし、これ以上ミソジニーや家父長制の被害にあう人が増えないよう、私たちが今できる最良のアクションプランを作成しました。私たちはミソジニー、性暴力、ポルノ産業、セクシズム、女性をないがしろにするそれらすべてにNOといい続け、#Metooと声を上げ続ける人がいる限り、#Withyouと寄り添い、自身がフェミニストであることに誇りや尊厳を持ち続けていきます。私たちは、今カンファレンスを終着点ではなく、一つの通過点としてこれからもフェミニストであり続けます。
(*報告書「全体概要」より)