パレスチナJAIより2024年の報告
「オリーブの木キャンペーン」を実施するパレスチナJAIより、2024年の活動について届いた報告を共有します。
JAI(Joint Advocacy Initiative:東エルサレムYMCAとパレスチナYWCAの協働プログラム)は、パレスチナ内や海外のユースを通じてパレスチナを伝えるプログラムです。パレスチナの占領と植民地支配を終結させるための、国際レベルでのアクションを呼びかけています。
主要な啓発・連帯・アドボカシーのツールは「希望を生かし続ける:オリーブの木キャンペーン」です。このキャンペーンは、海外の支援者がパレスチナの農民と連帯し、彼ら・彼女らのストーリーを広め、その不屈さを支え、イスラエルの政策と入植者の暴力によって土地やオリーブの木々が脅かされる中で、農民たちが土地を守れる手助けをするというものです。
2024年、キャンペーンは世界中の30,133人の個人・団体から寄せられた47,250本のオリーブの木を配布しました。ヨルダン川西岸全域の39の村で、850家族・4,050人が苗木を受け取りました。
2024年のオリーブの木植樹について
オリーブの木キャンペーンは、海外の支援者によって贈られるオリーブの苗木を届けることで、イスラエルの政策によって最も脅かされている農家に支援を届けています。この取り組みは、連帯を伝え、海外参加者の訪問によってパレスチナの農民を守り、国際的なアドボカシーを前進させるものです。
最近の、ヨルダン川西岸地区の農地への移動を制限するイスラエルの動きによって、農家の人々と一緒にそれらの場所に行くことが危険になってしまい、また進行中の戦争によって海外のグループはパレスチナ入りできずにいます。そのため、2024年はJAIの現地での植樹プログラムは実施できませんでした。
2025年は2月1日~10日にかけてオリーブ植樹プログラムを予定しており、その時にはイスラエルによる虐殺と大規模攻撃が止み、多くの海外からの支援者が参加できることを願っています。
ヨルダン川西岸地区におけるイスラエル軍と入植者による暴力の激化
2023年10月8日以降イスラエルによるガザでの虐殺が開始してから現在に至るまで、世界の注目がガザに向けられる中で、ヨルダン川西岸地区、特にC地区での暴力がエスカレートしています。町や村を結ぶ道路が封鎖されて移動が制限され、イスラエル軍に武器を与えられた何万人もの入植者が毎日のようにパレスチナ人を襲っています。
イスラエル軍はパレスチナの村・町・難民キャンプを毎日のように襲撃し、パレスチナ人を連行し、負傷させ、あるいは殺害しています。2023年10月7日から2024年9月の間に、イスラエル当局はヨルダン川西岸地区一帯で1,725のパレスチナ人の建築物を取り壊し、破壊し、差し押さえ、あるいは居住者が自ら取り壊すよう強制しました。
加えて2023年10月7日から2024年9月30日までの間に、東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区一帯で695人のパレスチナ人が殺されました(国連人道問題調整事務所(OCHA)より)。2023年10月7日より現在にかけて、イスラエルの占領軍は、エルサレムを含むヨルダン川西岸地区全域で10,700人以上を連行しました。
「オリーブの木キャンペーン」はパレスチナ・ヨルダン川西岸地区にオリーブの木の植樹を拡げることで、雇用創出、環境保全、生活の安定化を図っています。4000円でオリーブの木を1本贈ることができます。