パレスチナでは、長年続く軍事占領によって今も人々の生活が脅かされています。
YWCAとパレスチナ支援
パレスチナYWCA(The YWCA of Palestine)は1893年に活動を開始し、現在に至るまで女性たちのエンパワメントと平和の実現に取り組んでいます。国際的ネットワークとしてのYWCAは、パレスチナ難民問題が大きな課題となった1948年から難民問題に対する行動を呼びかけ、パレスチナYWCAに連帯してきました。
私たち日本YWCAのパレスチナとの活動は、1991年より平和のためのアクションとして、パレスチナ訪問やパレスチナ問題の学習資料配布などから本格的にはじまりました。94年から98年まで、国際ボランティア貯金の助成金を受けたパレスチナYWCAとの合同プロジェクトとして、健康や栄養分野の専門家を派遣、パレスチナYWCAの職業訓練校に健康教育コースを設置、難民キャンプ内の女性の健康指導、保育所での栄養指導などにあたりました。
2021年5月のイスラエル軍によるガザ空爆後、パレスチナYWCAと連携してクラウドファンディングを実施し、ガザの子どもたちの心のケアのためのアフタースクール・キャンプの実施を支援しました。
現在は、以下のような取り組みを行っています。
オリーブの木キャンペーン
パレスチナYWCA・東エルサレムYMCAの共同プロジェクト「Joint Advocacy Initiative (JAI)」は、パレスチナの人々の生活に深く根差したオリーブの木の植樹という非暴力かつ世界中の人が寄付により参加できる方法で、現地の状況を広く伝え、雇用創出、環境保全、生活の安定化をはかる取り組みを行っています。
日本YWCAはこの「オリーブの木」キャンペーンを支援しています。3000円のご寄付で1本のオリーブの苗木をパレスチナに届けることができます。
パレスチナの人々は生存への危機にも関わらず、希望を失わずに暴力のない社会を創ろうとしています。世界中のYWCAとYMCA、その他の団体や個人がパレスチナの人々を勇気づけ、連帯し平和を創りだすために、このプロジェクトを支援しています。
パレスチナYWCAが実施する女性と子どものプログラム支援
パレスチナYWCAは、難民キャンプに住む女性たちの就業支援や子どもたちのための幼稚園運営を行っています。パレスチナYWCAにより運営されている難民キャンプにおける幼稚園では、子どもたちが暴力やストレスから離れ、リラックスして時間を過ごすことができる環境をつくることを大切にしています。
また、パレスチナYWCAは、最も弱い立場に置かれた場にある女性たち、特に若い女性たちをエンパワーすることを目的に掲げ、教育や就労・経済活動の機会がとても限られている中で、女性たちが雇用と収入を得ることができるよう、スキル取得を目的とした研修を実施しています。スキルの獲得と同時に、女性たちに自身の権利について伝え、またジェンダーに公平な経済政策を促進するためのアドボカシー・トレーニングも実施しています。
日本YWCAは、協力団体からの寄付を通じてこのパレスチナYWCAの活動を支援しています。
アドボカシー(政策提言・発信)
YWCAは、パレスチナ住民が、国連憲章及び世界人権宣言の保障する民族不可侵の権利を否定されているとの国連の認識を支持しています。長期化するパレスチナの人道的危機を前に、パレスチナYWCAとともに声明の発信などを通じて声をあげ続けています。
2021年5月の空爆後には、オンライン署名『イスラエルによるシェイク・ジャラ地区の立ち退き強制・ガザへの武力攻撃に反対する声をあげてください』を呼びかけ、6,131名の署名が寄せられました。