声明:2024年1月28日の麻生太郎副総理の発言に対し、強く抗議します
2024年2 月3 日
日本YWCA
会長 藤谷佐斗子
総幹事 山本知恵
YWCA [Young Women Women’s Christian Association] は、女性のリーダーシップによって公正で平和な社会を実現するために働く国際NGO です。
2024年1 月28 日、麻生太郎副総理による、上川陽子外務大臣の容姿に言及する発言は、国内外で報じられました。麻生副総理はこれまでにも、人権感覚や歴史認識の問われる失言を繰り返してきました。これは麻生副総理個人の失言癖の問題ではありません。度重なる失言に人々が慣らされ、本質を見失うことは危険です。麻生太郎副総理が元首相であることに鑑みれば、さらに深刻です。
人を容姿で判断するルッキズムは人権の問題です。特に女性に偏って容姿が問われがちであることは、ジェンダー不公正の問題です。こういった人権無視の発言を質の悪い冗談として受け止め、真剣にとらえることを揶揄する風潮を放置し続けることで、人権感覚の乏しい市民が育ち、社会の人権規範が低下します。
わたしたち日本YWCAは、人権尊重と平和を旨とする日本国憲法を守ることを、運動の中心に据えて歩んでまいりました。
国会議員を含む公務員には、憲法遵守の義務があります(日本国憲法第99 条)。憲法が保障する平等や人権の尊重に対して、真剣に向き合わない政治家、自らの人権感覚を磨く意思のない政治家には、政治に携わる資格がない、とわたしたちは考えます。
麻生発言に対する上川大臣の受け流し方を、わきまえた大人の対応と評価する向きもありますが、わたしたちは、きちんと不正義と認めるべきと考えます。発言はルッキズムと女性蔑視発言として撤回されましたが岸田文雄総理大臣には麻生副総理の責任を重く受け止め勧告なさることを求めます。またこのことが繰り返されぬよう、内閣を挙げて確認していただくよう願います。
確かな人権意識をもち、日々自らを高める意思のある政治家が増えることを望み、政治家の人権無視発言に対して厳しく対処する内閣であっていただきたく、現状に抗議を表明します。