「安保3文書」閣議決定への抗議文(27団体賛同)
2023年1月10日、日本YWCAの呼びかけ・27団体の賛同により、表題の抗議文を岸田内閣総理大臣に向けて発信しました。
2023年1月10日
内閣総理大臣 岸田文雄様
「安保3文書」閣議決定への抗議文
私たちは2022年12月16日に日本政府が行った「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」、いわゆる「安保3文書」閣議決定に抗議し、撤回を求めます。
国としての大きな方向性に関わる重要な意思決定を国会での審議を経ることなく閣議で行うことは、民主主義を根本から否定するものです。権力は一人ひとりの有権者から委託されたものであり、適正な手続きを無視して行使することは許されません。
軍事力によって平和を実現することは不可能です。今回の閣議決定に盛り込まれている「反撃能力」の明記や防衛費の増大をはじめとした軍事への偏重と軍備の拡大は、国際情勢の不安定化を止めるものではなく、さらに悪化させるものです。
近年、ロシアによるウクライナ侵攻、国連決議で違法性が確認されているにも関わらず数十年にわたり継続しているイスラエルによるパレスチナの軍事占領をはじめ、より強大な暴力を持つ側がそれを行使して恣意的に状況を変えること、それが明確に違法であるにもかかわらずなし崩しに「現状」として横行していく状況が国際的に加速しています。この流れが止められることがなければ人類全体にとっての未来は暗いものになります。
この状況の中にあってこそ、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。[…]われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。[…]いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。」(前文)という憲法を持つ日本が率先して、すべての人の命が尊重される世界と国際平和の未来像を訴え、示すことが役割であると考えます。
今回の閣議決定を撤回し、すべての国会議員・公務員が順守義務を負う憲法に基づいて、国際社会に対する責任を果たすことを求めます。
呼びかけ団体
日本YWCA
賛同団体(27団体・順不同)
琉球弧の軍事化に抗する市民の会・みやぎ
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター
公益財団法人横浜YWCA
公益財団法人名古屋YWCA
平和を実現するキリスト者ネット
新潟YWCA
日本山妙法寺
平和をつくり出す宗教者ネット
基地のない沖縄をめざす宗教者の集い
平塚YWCA
不戦へのネットワーク
福島YWCA
静岡YWCA
公益財団法人神戸YWCA
認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ
公益社団法人日本キリスト教海外医療協力会
沖縄YWCA
公益財団法人大阪YWCA
札幌YWCA
公益財団法人福岡YWCA
熊本YWCA
京都YWCA
公益財団法人東京YWCA
一般財団法人函館YWCA
(特活)名古屋NGOセンター
長崎YWCA