祝・日本原水爆被害者団体協議会ノーベル平和賞受賞!日本政府は、一刻も早く核兵器禁止条約を署名・批准 そして、被害者への国家補償を
2024年10月25日
日本YWCA
会長 藤谷佐斗子
総幹事 山本知恵
私たちYWCAは、日本原水爆被害者団体協議会(以下、被団協と記載します)が2024年のノーベル平和賞を受賞されたことに、心からお祝いを申し上げます。被団協のみなさまの長年にわたる草の根の運動に敬意を表します。同時に、核兵器が二度と使用されてはならないことを自らの証言によって示されてきたことが評価された受賞は、私たちにとっても大きな希望となりました。
現在この瞬間にも、ウクライナ侵攻やガザでの虐殺は止まらず、「核」の使用を平然とほのめかすリーダーたちを筆頭に、いつ使われてもおかしくない状況に直面しています。「核」の存在そのものが脅威となっているなか、日本政府は、日本が唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、米国の「核の傘」に依存し、核兵器禁止条約への署名・批准を拒否し続けています。日本YWCAは、ふたたび被爆者をつくらないために今こそ日本政府に対し核兵器禁止条約に署名し批准すること、また、79年前の被害からずっと苦しんでこられた被爆者の方々をひとしく救済するために「国家補償の原爆被害者援護法」を制定することを強く求めます。
2021年に発効された核兵器禁止条約は、被爆者による草の根の運動から生まれた、核兵器廃絶への確かな道筋です。核抑止力に依存する安全保障ではなく、対話と外交を通じた賢明な「人間の安全保障」から、真の平和構築を目指しましょう。また、日本被団協が求める原爆被害への国家補償は、核戦争被害を国民に「受忍」させないと国が誓うことであり、「ふたたび被爆者をつくらない」ための、同じ被害を起こさせないための第一歩です。
日本YWCAは、「ひろしまを考える旅」を1970年からほぼ毎年実施しています。全国・世界からの中学・高校生を中心に幅広い世代の参加者が、被爆者から直接証言を聴くことを大切にし、出会い、事実を知り、自分に引き寄せて考えながら、現在と過去をめぐります。当時を思い出し、口にするのも辛い経験を伝えてくださったお一人おひとりの言葉、想い、その姿に胸を打たれます。「ナガサキを最後の被爆地に」との声を上げ続けてこられた被爆者の願いを次世代へつなげ、「核」が二度と使われることのない世界を目指しています。
核兵器廃絶は一人ひとりの力によってこそ実現されると信じています。今を生きる私たちが声を上げ、行動することこそが、「核」なき世界をつくっていくのではないでしょうか。この歴史的な受賞を契機に、「核」のない未来のために、共に声を上げ、より強く連帯してまいりましょう。