【読みもの】全国のYWCA にバーチャルでこんにちは!バーチャル訪問記 ㉕弘前 YWCA
リポーター: 全国に24カ所にある地域YWCAの最後の訪問先は、青森県は弘前市で活動する弘前YWCAです。弘前といえば「ねぷた」で有名ですね。リンゴの産地でもあります。会長の千葉さんに弘前YWCAの歴史や活動についてお話を伺いたいと思います。千葉さん、こんにちは!
千葉: ようこそ!弘前YWCAへ
リポーター: 早速ですが千葉さん、弘前YWCAの活動のこと、お聞かせください。弘前YWCAは、会館も職員ももたずに活動されていますね。
千葉: はい、弘前YWCAは自前の建物をもたず、また職員も置かずにボランティアである会員だけで活動しています。法人格をもっていないので、任意団体として活動しています。
リポーター: 24地域YWCAの中には、法人格をもたず、会館も職員ももたない地域YWCAが10YWCAありますが、その一つが弘前YWCAですね。どのような場所で活動をされていますか?
千葉: 定例の会議や集会は、弘前市の公共スペースや、最寄りの教会をお借りして行っています。この写真は、いつもお世話になっている日本基督教団弘前教会です。メソジスト系の教会で、東北最古のプロテスタント教会です。歴史ある会堂は地元の財産です。
この教会のみならず、弘前には教会が多いのですが、それは、キリスト教信仰に立って津軽の近代化やキリスト教伝道のために貢献した数多くのキリスト者たちがいたからです。のちに「弘前バンド」と呼ばれました。これは日本プロテスタント草創期の三大バンド(横浜、熊本、札幌)に準じるものがあります。
※写真:日本基督教団弘前教会のWebサイトより
リポーター: 津軽藩の藩校であった東奥義塾はキリスト教主義教育を掲げ、多くの人材を世に輩出したとも聞いています。そのような歴史をもつ弘前でYWCAが誕生したというのも必然ですね。
千葉: 弘前YWCAが誕生したのは今から25年前の1998年です。弘前学院聖愛高校YWCAの卒業生が中心となって、その何年か前よりYWCAの設立に向けた活動をスタートしていました。1997年、東京で開催する日本YWCAの全国総会で弘前YWCAの加盟が決定しました。その全国総会に弘前YWCAの代表として出席したことを、今でもよく憶えています。弘前YWCAを設立して日本YWCAや世界YWCAのネットワークにつながることで、国内外のYWCAが青森の核燃料サイクルを止める力になってくれることを願っていました。
そのような中で、弘前YWCAは1997年の全国総会で正式に加盟が認められ、活動を始めました。「子どもたちのいのちと未来のために、核燃サイクルを止めたい!」という願いは、反核燃4・9行動、大間原発反対、あさこハウス支援など、会員の協力を得てさまざまな活動を総会で決議して進め、現在に至っています。
リポーター: 『日本YWCA100年史』を読むと、当時の記録に「これからのYWCAの課題のひとつが『いのち』の問題である」と記されています。まさに、弘前YWCAが取り組む「核」の問題は「いのち」の問題であり、弘前YWCAがそこに拘って継続的に活動されていることは、大事なことですね。
千葉: 今、ロシアによるウクライナ攻撃が止みません。ロシアが「小型核」を先制使用の恐れがあり、核のハードル低下が「第3次世界大戦」をまねくリスクがあると報道されています。核の脅しを利用する戦争が、一刻も早く終息し、子どもたちの未来のみならず、今現在に生きる者のいのちが守られることを祈らずにはおれません。
リポーター: 弘前YWCAは、「核」の課題のほか、どのような活動をされていますか?
千葉: 聖書研究、核・憲法に関する勉強会を定期的に行っています。ハングル教室も人数も少人数ではありますが、毎月行っています。弘前大学の韓国からの留学生を講師に迎え、会話や文法を、小学校の教科書や絵本などを使って、楽しく学んでいます。講師の先生の留学期間が半年から1年なので、バトンタッチで大勢の先生方から教わりました。そのお陰で、韓国に「先生」の知り合いも増えました♪
いずれも小さな学びのグループですが、弘前YWCAの会員たちの活動の原動力になっています。
リポーター: 千葉さん、お話いただきありがとうございました。