【読みもの】全国のYWCAにバーチャルでこんにちは!バーチャル訪問記―⑯函館YWCA
今回訪問したのは、北海道は函館、市内の中心地五稜郭に近い松陰町にある函館 YWCA。淡いピンク色の木造の建物が素敵です。なんとこの建物、登録有形文化財なんです!
函館 YWCA 会長の田邉さん、会員の廣部さんが、函館 YWCA の歴史や活動についてお話くださいました。
田邉 : 函館 YWCA は、1949 年 10 月に遺愛学院の高校 YWCA の OG と日本 YWCA の働きかけによって発足しました。発足当時の会員は 70 名という記録が残っています。
(続き)戦後 4 年目で、ようやく人々が個人の生活や教育というところに目がいきはじめた頃だっだのでしょう。現在の会館で活動を開始したのは翌年の5 月。会館は民家として建築されてから 23 年ほど経過していたようです。その時の写真がこれです。
リポーター(以下、り): 会館の外観は、今と全く変わっていませんね。
田邉: そう!ほぼ当時のままです。活動の根幹に“女性とこどもの人権を守る”を掲げる YWCA は、当初より幼児教育に関わってきました。この会館では、当時要望の多かった幼稚園を運営。戦後、幼児教育に熱の入った時代があったと思います。この幼稚園は 23 年間運営していたのですよ。この後、1976 年には“共に育つ”共生の理念を取り入れた統合教育の幼児グループをはじめました。障害のあるお子さんも一緒に学ぶ当時としては先駆的な取り組みと評価されました。そこには、やはりキリスト教を基盤とした、弱い立場におかれた人、日の当たらない人、虐げられ隠された人に共に寄り添う心があったと思います。どろんこ遊びや下駄ばきのユニークな取り組みを行ってきたこの幼児グループは、少子化の影響もあり、2004 年に終了しました。
リ: 当日としては先駆的な統合教育の幼児グループだったのでしょうね。保護者の方がその後 YWCA の活動に参加された方も少なくないと伺ったことがあります。
田邉: 保護者の方たちも共感くださり、さまざま協力くださいました。
リ: 環境問題にも早くから取り組んでこられましたね。
田邉: はい、“『核』を否定する”という立場で、道内外の原発関連の学習会や現地での運動、また大間原発訴訟の会との連携も、1970 年代から継続して取り組んでいます。
リ: クラス事業も盛んだとお聞きしています。どのような活動をされているのですか?
田邉: 創立当初からやっているのが英会話。多文化共生のエッセンスを取り入れたコミュニケーションのための、活きた英会話講座を行っています。現在の講師は、ウガンダ、フィリピンからの先生です。
廣部: 会員による委員会活動も活発で、なかでも“平和”に関する活動を展開しているのがピースプランニング委員会です。この委員会が中心になって 5 年前に発行したのが、『函館ピースマップ』。市内に点在する戦跡を地図に記し、細
かい説明をハンドブック版で理解できるようにセットで発行しました。この春には、北海道教育大学の奥平先生のゼミとも協働してデジタ
ル版も発表しています。是非ご利用くださいね!
リ: このマップをもって函館を巡りたくなりました。
田邉: 2011 年の東日本大震災被災者支援として、2017 年度まで福島の親子を対象にした保養プログラムを行い、68 組の親子、177 名を函館にお招きしました。この活動は昨年よりセカンドハウス提供という形にかえて個別支援をしています。
リ: 北海道の大自然の中で、のびのびと過ごす。いいですね~。
廣部: 子どもへの虐待防止活動の CAP も盛んです。学校や家
庭でのこどもへの見えない虐待を、子どもが自ら「イヤ!」といえるんだよ、ということを学べる、子どもと保護者向けのワークショップを 20 年以上行っています。年間 30 ほどのワークショップを実施していて、CAP のスペシャリスト養成の場としても大切な役割を果たしています。
リ: お話を伺い、長年にわたって、地域に根差したさまざまな活
動を展開されていることがわかりました。
廣部: さあ、会館の中を案内しましょう。カフェ&ショップ「リ・ボーン」では、焙煎コーヒーや紅茶、ランチや季節のスイーツも楽しめるカフェ、地球や身体にやさしい食品や洗剤、フェアトレード製品を扱うショップ、新古品の婦人服・服飾雑貨を扱うスリフトショップを展開中。ほら、今日私が着ている物はぜ~んぶ、このショップで揃えました(笑)
リ: ステキ!お似合いですよ。
田邉: カフェのランチも好評なんですよ。ドライカレー、ミートソーススパゲティ、ガパオライスなどがおすすめです。ご一緒に季節のパウンドケーキもどうぞ。
リ: 函館 YWCA のみなさん、ありがとうございました。最後に「お国言葉」でご挨拶をお願いします。
みなさん: 函館 YWCA へ来ればいいっしょ! せばね~!!