YWCAの風

JAIニュースレター「ナクバ」の日を覚えて

5月15日は、「ナクバ(1948年のイスラエル建国によって、パレスチナの地に住んでいたアラブ人が居住地を追われ、難民となったことを嘆く日)」です。この日を覚えて、東エルサレムYMCA-パレスチナYWCA共同提唱イニシアチブ(JAI)より、ニュースレターが届きました。「ナクバ」から75年-パレスチナからの声をお伝えします。


1948年、イスラエル建国にともなって、パレスチナの人々のほとんどが、家、土地から強制的に追い出され財産を失いました。「ナクバ」とは「大惨事」を意味します。ナクバでは、シオニストの民兵によって531のパレスチナ人の村が地図から消され、70以上の虐殺が行われた結果1947年から1949年の間に15,000人以上のパレスチナ人が死亡しました。それ以来、故郷の村や町、都市に戻る権利を否定された結果、パレスチナ人の約80万人が難民となり、土地に残った人の4分の1が国内避難民となりました。

多くのパレスチナ人が近隣諸国への避難を余儀なくされ、現在も難民としてとどまっています。多くの場合、基本的な資源やサービスへのアクセスが制限され、過密で貧しい環境で暮らしています。現在進行中のパレスチナ領土の占領と植民地化、入植地の建設は、危機をさらに悪化させ、さらなる住居の喪失と国際法違反につながっています。

過去30年間、イスラエルはパレスチナ人から没収した土地にさらに入植地を建設しました。新たに選出されたイスラエルの右翼ファシスト政権は、ヨルダン川西岸の完全併合を目標としています。これにより、より多くのパレスチナ人が強制的に土地から追い出され、国内避難民となることが予想されています。「ナクバ」の植民地支配の遺産は続いています。75年の歳月がたちましたが、「ナクバ」はパレスチナの人々にとって遠い記憶ではありません。それは、イスラエルの入植者植民地主義、強制的人口移動、アパルトヘイト、土地収奪という継続的な現実であり、そうした行為は決して止まることなく、むしろ今日増加しているのです。

パレスチナ人の故郷と土地への帰還の権利は、国際法の下で保護される不可侵の権利です。パレスチナ難民は、故郷への帰還と賠償を受ける法的権利をも有しています。イスラエルは、パレスチナ問題を扱う何百もの国連決議と同様に、これを遵守し尊重したことがありません。これは、イスラエルに対する説明責任の不在と、パレスチナ問題に関して国際人道法を執行する世界社会の意志の不在によるものです。

国際社会は、国連憲章に明確に示されているように、平和、安全、人権が守られるように、国際法を実施し、必要なときにはいつでも執行する義務があります。国際法への真のコミットメントがあってこそ、パレスチナの人々は、平和、安全、尊厳のうちに自分たちの家やコミュニティで暮らすという基本的な権利を行使できるのです。

私たちは、パートナーや友人たちがナクバを覚え、各国政府や政策立案者が国際法を守るよう明確に要請し、正義のための礎となるパレスチナ人の帰還権の実現を求めるよう対処することを強く求めます。


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