コロナ禍という状況で熊本YWCAの活動をサポート
2020年7月3日未明から4日朝までに降り続いた豪雨で、熊本県南部地域では洪水による広範囲にわたる洪水被害や土砂災害、道路や鉄道への被害災害が起こりました。熊本YWCAは災害直後から被災者支援活動に動き出し、日本YWCAは関係団体と連携し熊本YWCAをサポートする形で支援活動を行いました。
7月5日時点ですでに広範囲にわたる洪水被害や土砂災害、道路や鉄道への被害が明らかになり、熊本YWCAの会員及び職員の中には該当地域が居住地または故郷で、家族や友人そして地域全体が被害にあっていることが判明、熊本YWCAは被災者支援に動き出しました。
熊本YWCAはこれまでも、2016年4月の熊本地震に際しての被災者支援活動において多くの会員・ボランティアと共に被災者支援活動に積極的に取り組んできました。このような経験があったものの、今回はCOVID-19の影響で、県外からのボランティアに入ることが難しいというこれまでにない状況に阻まれました。
そこで日本YWCAでは、関係団体と連携し、熊本YWCAの活動をサポートする形で支援活動を進めていきました。
その中でも熊本YWCAは、これまで活動で培ったネットワークを活かして、球磨村の二つの指定避難所、球磨病院、スペシャルオリンピックス日本人吉ブランチ、人吉市避難所、被災された個人や商店、人吉市障害福祉課、保健師などを訪問し、ニーズの聞き取り及び支援物資の支給などを行いました。
熊本YWCAは、被災された方々から寄せられた声に応えるかたちで、必要なものを必要な時に支援できるように心がけ、以下のような活動を行ってきました。
- 地域の教会関係への支援物資
- 球磨病院:入院患者への物資支援や転院支援、医療用物資の提供、被災した医療関係者への物資支援(必要な物資支援、転院支援)、看護師への支援物資(入浴介助用の長靴やフェイスシールドなど)、被災した看護師への物資支援
- 被災した外国人家族への、ニーズに応じた物資支援:被災者の家族構成や年令、体格、現状などを踏まえて、全国からの支援物資の中から必要なもの・数をセットにして箱詰め、または購入してお渡しする
- 障がいのある方への支援:ニーズを聞き取り、関係各所との連携やつなぎ、物資の配達など
- 避難所への支援物資配達:特に浸水後の拭き取り作業等に使う消毒液や子どものおもちゃなど
- その他:ネットワーク創り
また、全国のYWCAから差し入れを募集しました。被災地の皆さんは、避難所に行けば必要な物は手に入るものの、長引く避難生活や暑い中での片付け作業に追われるなかで心身ともに疲れが溜まっているように見えたことから、お酒やお茶、軽食をいただきながらほっと一息つける場会を提供し開催しました(避難所では飲酒が禁止されているため)。
YWCAのネットワークを通して、お住まいの地域のおいしいお菓子や、お酒のおつまみを募集したところ、多くの善意が寄せられました。寄せられたご当地の品々はもとより、全国各地に応援してくださる人がいるということに大変感激されました。
2020年秋以降は、中長期活動に切り替え、既存のプログラムに自然な形で組み込んだ活動を企画し実施しました。
被災家屋・田んぼ等での片づけ、被災した農家での収穫作業の手伝い、被災地域の職人さんによるクラフト教室企画などを行いました。そのほか、人吉市大柿地区では稲刈りと、稲刈り後にお米を干すための竹切や竹組み手伝いを行いました。
また、活動する中で知り合った現地の竹細工職人さんによるクラフト教室を開催。2021年度も支援とリフレッシュを兼ねたプログラムを計画しています。