Peace Report 〜ピースおおさか〜
ピースおおさかに行ってきました。
大阪国際平和センター、通称 ピースおおさかは現在、大阪空襲を語り継ぐ平和ミュージアムとして運営されている。米軍による大阪への空襲は1944年12月〜45年8月14日まで約50回におよび、100機以上のB29による大空襲は計8回。最も被害が甚大だったのは45年3月13〜14日の大空襲。約4千人が死亡、約50万人が被災した。
その当時小学生だった母から、「翌日の朝食用に大切にとっておいた配給で得たお豆腐を空襲で焼け出されて食べられなかったことが悔やまれた。以来、好きなものは先に食べることにしている。」という話を何度も聞いて育ったが、大阪大空襲そのものの話を聴くことはあまりなかった。学童疎開や、敗戦後の苦労話が多かったように思う。
ピースおおさかの展示は、今とは大きくかけ離れた時代背景のもとで、当時の人々がいかに生きたかを体験しながらできるように工夫されていた。母を通して、戦時中の子どもたちに思いをはせながら見学した。低空飛行で襲いかかってくるB29はどんなに怖かっただろうか。防空壕の体験コーナーもあったが、にわか作りの防空壕は、爆弾の衝撃で生き埋めになったり蒸し焼きになったりしたという。無差別の爆撃からはどこにも逃げられない。
今回、被害の歴史と同時に、大阪が「軍都」であった加害の歴史を知った。展示では、大正から昭和初期にかけて大大阪(だいおおさか)とよばれていた大阪の姿とともに、陸軍直轄の兵器製造工場として、東洋一の規模を有していた大阪砲兵工廠の変遷を紹介していた。ピースおおさかは、展示内容を大阪空襲に特化する以前は、日本の加害の歴史についても丁寧に展示されていたと聞く。リニューアルされ、バランスを欠いた展示になってしまったことは残念であるが、展示物に左右されることなく、自ら歴史に学び、考え、判断するチカラを身につけることが大切だと思う。
幕谷安紀子