パレスチナYWCAから、国際女性デーのメッセージ
2024年3月8日、今年の国際女性デーにあたってパレスチナYWCAから届いたメッセージを共有します。
国際女性デーは、女性たちの権利を掲げ、彼女たちの達成を強調し、女性の権利における世界の進歩を振り返る日です。
今年の国際女性デーのテーマは、「女性に投資を:さらに進展させよう」。経済の繁栄と健全な地球をつくるためには、ジェンダー平等を実現し、人生・生活のすべての側面における女性の幸福を確保すことは不可欠だからです。
今年、国際女性デーを記念するこの時は、女性たちを含むパレスチナの人々、特にガザ地区の人々に対するイスラエルの攻撃が続く中になりました。
世界はまたも、ガザにおける、国際人道法に違反して市民を標的にしたイスラエルの攻撃による死者の数を数えています。2023年10月7日以降、10,000人の女性を含む31,000以上が殺害され、数千人が負傷しています。住宅、居住用建造物、施設やインフラの破壊に加えて、180万人の人々が、恐怖、安全への不安、そして自宅が破壊されたことにより、強制的に住処を追われています。ガザは、食物、水、電気、燃料の輸送すべてを止める目的で完全封鎖されています。
この困難な時にあって、パレスチナYWCAは、すべての人に対して人権と国際法が尊重され、確認され、保護されるべきであることを再び強調します。私たちは、国連安全保障理事会決議242号で保障され、同決議338号で再確認されたパレスチナ人の帰還の権利を支持します。正義ある平和は、この地における私たちの130年にわたる活動において恒常的なビジョンであり、目標であり続けています。
パレスチナYWCAは、被占領エルサレムを含むヨルダン川西岸ならびにガザ地区で継続する軍事占領とパレスチナの人々を標的にした抑圧と人権侵害が続く中で、パレスチナの女性たちの権利を守ろうとしています。
平和と安全保障にかかわる国連安全保障理事会の諸決議、中でも特筆すべきは女性・平和・安全保障に関する安保理決議1325号ですが、それらの決議は各加盟国に対し、武力紛争における女性の完全な保護と、意思決定ならびに平和構築プロセスにおける女性の意味ある参加を確保するよう強く促しています。
パレスチナYWCAは、コミュニティにおいて女性たちがリーダーとなる機会を構築し、彼女たちの公的な場への参加を促進し、また彼女たち自身の個人的・集団的・国家的権利について意識向上をはかることで女性たちをエンパワーしようとしています。自らのミッションならびに国際法に沿って、また、女性と人権にかかわる諸機関から発信されたすべての指標や事実に従って、以下のことを再確認します。
- パレスチナの女性と若者は、周縁化と剥奪に加えて、身体的・精神的・性的・言語的暴力など、1つまたは複数の暴力にさらされています。
- パレスチナの女性・若い女性たちは、イスラエルの占領とその組織的行為による政治的暴力、そして社会的暴力という二重の暴力にさらされています。
- 占領下において虐待を受けている女性たちへの国際的保護の不在
- 女性たちは、公的生活のすべての要素、特に政治的な場において、差別を受けています。
- 難民の女性・若い女性が難民キャンプにおける意思決定に積極的に参加する権利への保護の欠如
パレスチナYWCAでは、イスラエルの政策が女性たちの生活に及ぼす影響を軽減することに加え、生活のすべての要素に女性の保護とエンパワメントの原則と仕組みを取り入れることの重要性を信じています。女性、若い女性、少女が自らの社会的・経済的・政治的権利を要求するようエンパワーすることは、平等・自由・正義・人間の尊厳が広がる社会をつくるために必要不可欠であることを強調します。私たちは、諸人権団体との協働とネットワーキングを通じて、為政者に対し、言論の自由への権利の侵害を終結させ、この基本的人権の承認と保護を誓約するよう働きかけています。
これらの目標を達成するため、パレスチナYWCAは、ローカル、地域、そして国際的なレベルにおける活動の中に「平和と安全保障」に関するアジェンダならびに関連するすべての国際条約を継続して取り入れています。これは、女性の権利保護に特化したネットワークの活性化を通じて実施されています。
- 私たちは国際社会に対し、国際法、国際人権宣言、ならびに紛争地域における女性の保護に関する国連安全保障理事会決議1325号に基づく義務を遵守するよう求めます。
- ジュネーブ第4条約の締約国に対し、パレスチナの女性たちを被占領国の市民として保護するよう誓約することを求めます。
- パレスチナ政府に対し、自由権規約、社会権規約、女性差別撤廃条約に基づく義務を遵守し、これに沿って国内法を整備することを求めます。
- 女性の意思決定参加の増加にむけて、継続してパレスチナ政府と協働します。
私たちは、私たちのプロジェクトを通じ、またパレスチナ国内のジェンダー平等政策への継続的支援を通じて、パレスチナの女性たちのための闘いを続けます。私たちは、女性たちの教育へのアクセス、経済的エンパワメント、そして政治参加の進歩に関わる活動の成功と勝利を祝います。しかし、まだ不十分であることも認識しています。私たちは、世界中ですべての女性が平等に基本的権利を享受できることなしに、ジェンダー平等は実現しないと強く信じています。ジェンダー平等を大きな基盤として持続可能な明日を目指すのであれば、国際社会は、この世界をすべての人にとってより良い場所にする義務を負っています。安全と平和に可能性が残された世界をつくることは、女性として、また女性団体としての私たちの集団的な責任です!
パレスチナの、そして世界中のすべての女性に、良い国際女性デーを!