ガザの状況に関する発信:パレスチナYWCA、世界YWCAから
日本YWCAは、パレスチナYWCAと連携して活動してきました。現在のガザ地区の状況を受け、10月11日、声明「あらゆる暴力の即刻停止と、パレスチナへの軍事占領の終結を求めます」を発信しました。
また、日本のNGOによる外務省への要請文「イスラエル・パレスチナにおける武力行為の即時停止への働きかけを求めます」に賛同しています。
このたび、現地で130年以上活動するパレスチナYWCA、また世界YWCAから届いたメッセージを紹介します。
平和のために立ち上がり、占領に対して立ち上がってください
(パレスチナYWCA 10月11日)「どんな場所においての不正義も、すべての場所における正義に対する脅威である」(マルチン・ルーサー・キングJr)
世界はふたたび、国際法に違反し市民を標的にしたイスラエルの空爆によるガザ地区の死者数を数えています。
2023年10月7日土曜日から2023年10月10日(エルサレム時間18時)までに、子ども・女性・医療関係者・ジャーナリストを含む830人以上が殺され、数千人が負傷しました。住宅、居住用建物、資産やインフラなどの破壊に加えて、19万人前後が、恐怖、保護に対する不安、また住居が破壊されたために、避難民となっています。すべての食物・水・電気・燃料の供給を止める目的で、ガザ地区は完全に封鎖されました。
パレスチナの人々にとってのこの困難な時にあって、パレスチナYWCAは、すべての人に対して人権と国際法が尊重され、確保され、守られるべきであるという要求を再度強調します。私たちは、国連安保理決議242ならびに338で確認されているパレスチナの自決権を支持します。この地での私たちの130年以上の活動を通じて、正義ある平和は恒常的なビジョンであり、目的です。
上記に沿って、私たちは国際社会と政策決定者に以下のことを要求します。
・この終わりない状況と苦しみの根本的原因を認識すること。その根本的原因とは、イスラエルによる占領です。国際法ならびに関連の国際諸条約に基づき、イスラエルにその継続的な人権侵害の責任を問うこと。
・イスラエルの占領政府に対し、ガザに対する戦争を止め、市民の命を守るよう強く働きかけるため、即座に有効な行動をとること。
・継続的な侵略行為によって引き起こされる状況に対処し、ガザにおける人道危機の悪化に歯止めをかけるため、緊急の人道支援を行うこと。
・国連の諸決議で明示されたパレスチナの人々の権利、特に自決権、自由、独立の権利を支持し、1967年時点の国境を認識しそこに立ち戻ること。
私たちは、パレスチナの人々に人権が与えられるための平和的解決のために祈り続けます。本当の平和は、正義と、苦しめられ抑圧されている人たちへの連帯に基づくものであり、すべての人に平等に自由と安全を確保するものです。忘れないでください。占領に対して立ち上がることなく、平和のために立ち上がっているとは言えないということを。
英語原文:
https://mailchi.mp/db58d5509eb9/whats-new-at-ywca-palestine-9411691?e=a9d6fffb21
世界YWCA イスラエル・ハマス戦争についての声明文
2023年10月9日
1920年、世界YWCAの世界委員会はスイス・シャンペリーでの会合で、平和に関する以下の声明を発信しました。
「すべての国の女性たちを含む運動である世界のYWCAは、戦争の回避、平和の推進、そして国々の間の相互理解の促進のために活動するすべての主体を力づけるよう、国際的課題に関する世論の発達に尽くす。」
それ以来、YWCAは100年以上にわたり、紛争・紛争後の場でのリーダーシップを提供し続け、世界YWCA運動は、家庭、国々、地域、そして世界における平和と正義にむけた決議を次々に発信し続けてきました。
これらの決議の多くは、数十年にわたり、中東地域、そしてイスラエルによる占領下に生きる女性・少女たちに焦点を当ててきました。これらの声明はパレスチナ、そして中東全域の女性たちすべてが、恐怖、ショックや怒りから解放された人生を生きる権利を持ち、すべての人が、自由と尊厳が確保された人生を生きる権利を持つことを明言しています。パレスチナのコミュニティ、特に女性たちは、恒常的にエスカレートする身体的・精神的ハラスメントや、土地の没収・家屋破壊、強制的閉鎖、移動の制限、そして物理的攻撃による強制退去の危機に常にさらされ続けています。イスラエルの占領によって強制された政策によって、数万人のパレスチナ人がエルサレムでの居住権を失いました。彼女・彼らは一日一日、危険、危害そして不安にさらされています。この現実は日常的に、この地域の数百万の家族、女性、若い女性、少女たちの安全を脅かしています。
加えて、中東地域の複数の国々において、外部からの軍事侵略の激化と軍事占領の拡大が、何千人もの新たな難民や国内避難民を生じさせ、世界平和への脅威となっています。
2015年、世界YWCAおよび諸加盟YWCAは、中東地域のすべての人に安全をもたらす正義ある平和を実現するため、パレスチナのイスラエルによる占領ならびに中東地域における戦争・紛争を終結させるよう、それぞれ自国政府に対し働きかけることを合意しました。国連決議194の履行を含め、同地域のすべての難民の帰還の権利を認めることを明確にしました。
さらに同決議では、中東地域からの難民を受け入れている世界中の政府が人権基準を遵守し、その難民、特に女性・少女たちの安全・安心と尊厳を保証するよう確保することを求めています。
加えて、各国政府と国際連合が人権侵害の加害者に責任を取らせ、その責任が問われないままになっている現状を終わらせることを求めています。
さらに、中東地域のYWCAリーダーや団体が女性のリーダーシップを促進することを支援し、女性たちが平和構築に参画できるようにすることを述べています。
世界YWCAは国際社会と各国政府に対し、この終わりない状況と苦しみの根本的原因を認識するよう呼びかけます。その根本的原因とは、イスラエルによる占領です。17年にわたる封鎖下で生活し、このような不正義にさらされることは、誰の身にも起きるべきではありません。
YWCAは100年以上にわたり紛争下および紛争後の場においてリーダーシップを提供しており、世界的なYWCA運動は、各コミュニティ・国・地域そして世界全体における正義と平和のために声をあげています。
世界YWCA運動は、パレスチナYWCAのコミュニティを含め、特に悪影響を受けることが確実である(※)中東の子ども・女性たちに連帯します。
※女性・平和・安全保障に関する国連安全保障理事会決議1325号は、紛争が女性・子供に最も深刻な被害を及ぼすことを確認しています。
英語原文:https://www.worldywca.org/world-ywca-statement-on-israel-hamas-war/
パレスチナYWCAの活動・支援呼びかけについては
をご覧ください。
日本YWCAは今後も、パレスチナの人々に連帯して行動します。