【読みもの】全国のYWCAにバーチャルでこんにちは!⑦甲府YWCAのご紹介
日本YWCAに加盟する全国の24カ所の地域YWCAを、YWCAの会員がオンラインで訪問する企画「バーチャルde地域YWCA訪問」が始まりました。日本YWCAのネットワーク強化委員会の主催で、地域YWCAのことをもっと知りたい!知らせたい!という企画です。
ここでは、各回の訪問の様子を「訪問記」としてお届けします。
北は北海道から南は沖縄まで、大きなビルをもつYWCAもあれば、ボランティアである会員のご自宅で10数名が集まって活動しているYWCAもあります。各地のYWCAのユニークな活動を紹介していきたいと思います。
JR中央本線「甲府」駅に降り立つと、南口には武田信玄公が、北口にはその父信虎公の銅像があり、山梨県甲府市のシンボルとなっています。甲府は歴史マニアにとっては、戦国時代にタイムスリップする特別な場所なのかもしれません。この甲府にあるのが、今回訪問した甲府YWCAです。
北口から徒歩で5分の所にあるのが愛宕町教会。ここでは毎月の例会を、そして南口から徒歩15分くらいの所にある山梨YMCA会館では役員会を行っているそうです。
ご存知のように甲府YWCAのメインの活動は、なんといっても夏の平和プログラム「ピースフェスタ」です。かつて全国の地域YWCAが、ヒロシマ・ナガサキの被爆者が描かれた「原爆の絵画」を、リレーのように大切に手渡しながら、全国各地で「原爆絵画展」を開催していました。今なお継続して実施しているのが、ここ、甲府YWCAです。原爆絵画展だけでなく、チェルノブイリ原発事故や東京電力福島第一発電所の原発事故を取り上げてこられたり、ピースコンサートを開催されたりと、これまでさまざまな企画をセットにして開催してこられました。地元の教育委員会・新聞社・放送局の後援をとって長年実施されているのも注目する点です。
「コロナ禍ではありましたが、2021年のピースフェスタは、県内のミッションスクールの生徒たちや大学生たちが準備から企画・運営まで協力してくれましたし、山梨YMCAの学童保育の小学生の学びの場ともなりました。」と、語ってくださったのは甲府YWCA会長の平石さん。
2021年のピースフェスタの初日の8月5日は、山本晴美さんによる歌語り「万歳峠」のプログラム。これは特攻兵として短い命をとじた若者の人生を見つめたドキュメンタリーで、参加者は、特攻兵として逝った若者の生と死を迫真の歌と音楽で体感。この「万歳峠」は、山梨県北杜市若神子にあり、戦時中に出征する青年たちを見送った場所であることから、「万歳峠」と呼ばれていたそうです。地名からも、戦争の歴史を知ることができますね。
甲府YWCAのメンバーであり学生グループMy.C(マイシー)メンバーでもあるゆうさんとちゃーさんにもお話しいただきました。
ゆうさんは「甲府YWCAのユースと地元の学生グループMy.C(マイシー)メンバーとの合同企画『大学生とつくる平和』活動では、甲府YWCAのユースが「聖書の言葉からつむぐ平和」と、ワークショップ『アドボカシーって何?』を企画したり、My.Cは、甲府空襲の体験者のお話を伺ったり、平和を願うメッセージをアートとして集めたりしました。」と今回の企画について語ってくださいました。
ちゃーさんは「2年前に日本YWCAの日韓ユースカンファレンスに参加しました。私たちは春には社会人になってしまうのですが、これからもYWCAの活動をとおして、いろいろな学びを深めていきたいと思います」と、心強いメッセージ。
平石さんがおっしゃいました。「彼女たちの企画は、ピースフェスタに大きなうねりをつくり出しました。長い時間をかけて制作したピースアートには実に多くの人々の平和への願いが刻まれていました。その時の準備にあたる様子と、開催日の様子が、地元の山梨日日新聞(さんにちしんぶん)に掲載されたのですよ」と。
最後に大きなキルトの作品を紹介しながら、平石さんが、「このキルトは、先輩たちが心を込めてつくられたもので、2021年のYMCA・YWCA合同祈祷週のテーマ「破壊されたものの美しさ」にぴったりだということで、山梨英和大学の宗教主任の洪(ホン)先生が、2021年の合同祈祷会で、このキルトを『切れ切れになった布で作り上げられた美しいもの』として紹介くださいました。甲府YWCAのメンバーもあらためて、その意味に感動しました。」と。
最後に恒例の方言でのご挨拶。「早くコロナが収まって、みんなと会えるといいじゃんね!」
2022年のピースフェスタの企画もそろそろ始まっていることでしょう。今年の夏は、甲府YWCAの「ピースフェスタ」に出かけてみませんか?