報告:『海をあげる』の上間陽子さんに聴く、沖縄
~講演とトークセッション~
2022年5月21日 (土)
開催:Zoomによるオンライン/ぎのわんセミナーハウス
参加者:208名
沖縄に暮らしながら、未成年の少女たちの支援・調査に携わり、琉球大学教育学研究科教授、“「沖縄の」「妊娠している女性たちを」「輪になって守る」”の頭文字をとったシェルター「おにわ」の共同代表も務められている上間陽子さんから沖縄の「今」を伺いました。 既に梅雨入りしながらも、当日は見事に晴れわたった沖縄から全国へ向け、ウェビナー形式でのオンライン講演会を開催しました。
トークセッションでは、小学校や母子支援施設、また女性支援の現場でそれぞれ活躍するYWCA会員が登壇。彼女たちだからこその視点/切り口で発される質問と、それに対する上間さんの丁寧な回答が光る見応えのあるやりとりとなりました。上間さんのお話しを聴き、視聴者である私たちの現実/生活に引き寄せて考えることを、自然と促すような時間は、実りある温かな素晴らしい時間であったと感じます。
また講演を通して、上間さんの柔らかく優しい語り口や相手の言葉を最後まで待ち続ける姿勢から、伴走者として相手の話を聴き、本当の意味で他者に寄り添うということの意味を教えていただいたようにも感じました。
参加者の声
・遠くに住む私にとって沖縄は、美しい南国の島のイメージが先行していましたが、上間陽子さんの本を読み、お話しを聴き、現状を知らなすぎるとあらためて思いました。戦争をはじめ人の幸せについて、学ぶ場がたくさんなくては、格差はなかなか埋まっていかないと思いました。自分のできることから行います。
・上間さんのお話は心に突き刺さることばかりで、とても刺激を受けました。 本土と分断して捉えてはいけない、日本国内で起きている事実として向き合っていこうと思います。
・沖縄の夜の街で働く少女たち、そこから見える社会構造、文化、教育……複合的な課題が内在していることに気づきました。何かをしたい!という個人の想いは、動き出すこと、仲間やネットワークをつくることで形になっていくということも実感しました。すでに「仲間」と「場所」がある地域YWCA の会員として、勇気を持って行動していきたいと思います。
去る5月15日に沖縄は本土復帰から50周年を迎えました。「この50年で何が変わったのか、軍備強化がされただけではないか。」ということも上間さんは言及されました。今こそ沖縄の現実に向き合っていくことが、私たち一人ひとりに求められているのではないでしょうか。